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最後の洗車

2012.12.27

CG誌面の上では明日12月28日発売号で最終回を迎えるロングラン・インプレッション車のアウディA6アバント3.2TFSIクワトロ。 快適でスタリッシュなスポーティワゴンと過ごす最後の夜が来ようとしている。明日、このクルマはアウディジャパンに引き取れていくわけだ。

この8ヵ月、A6アバントは実に忠実に、マイナートラブルひとつなく、CGのため、担当者である僕のためによく働いてくれた。クルマを決して猫かわいがりしないCGの伝統に則って、2万3000km以上にわたって酷使し続けたにもかかわらず、常に良きパートナーとして、安楽と興奮をもたらしてくれたのである。今ではちょっと離れがったい気持ちすら抱いている。

アダプティブ・クルーズコントロールやナイトビジョンといった最新装備の恩恵を毎日のように蒙ったという点でも、このインゴルシュタット生まれの快速ワゴンは忘れ得ぬ存在だ。とりわけ前者は完全停止まで制御してくれるおかげで、渋滞の苦痛を半減させてくれることを知った。マルチメディア・インターフェイスの使い方にも慣れた。ちょっと幅の広い車両感覚も掴んだ。フルロックまでステアリングを切った際の最小回転半径だって体に染み込んだ。距離感がこれ以上ないほど縮まり、あたかも着慣れたTシャツのように体にフィットして、愛着が最高潮に高まったのに、別れのときを迎えなければならない。

だから最後の夜を迎える前に、せめてボディの汚れを落としてもらおうと、混んでることを承知でスタンドに駆け込んだ。 今晩も会食の予定が入っているが、それが終わったら、きっと少し遠回りして帰ることになるだろう。